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miyamiyagiひとり語り

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平成29年07月03日 月曜日 [長年日記]

[Music] miyagi作 (feat. K’coさん)「SWEET BLACK feat. MAKI GOTO / TEAR DROPS with KG (Cover)」の不必要に詳細な解説

イントロ MIDIの図 (クリックで拡大)

今年も2軍で調整中、元音楽家としても世界的にたいへん有名なWVの打撃の神様だ。musictrack.jp に少し気合いを入れた楽曲をアップしたので、以前の いきものがかりちゃん の時のような長文詳細な解説を以下に記す。

経緯と楽曲:

そもそもなんでゴマキちゃんやねんというはなしだが、今回は musictrackのアイドルシンガーK’coさん に特別にお声がけいただき、アイドルとのデュエットということもあって二つ返事でコラボを快諾したw。musictrackでのリンクは以下。

TEAR DROPS (後藤真希 with KG)

曲も知らんしKGとかいう輩も知らんかったが、J-Popらしいなかなかおもろい曲だと思う。アタマからケツまで Amaj7 - B6 - C#m7 (C#sus4 - C#) のコード進行が延々と続くバラードで、和風な旋律のピアノやストリングスに生ギターやハンドドラム、R&B風のリズムにこれまたR&B風のコーラス隊など、飽きのこない仕掛けがどんどん登場。アレンジャーさんのご苦労をよく察することができる。生演奏らしいベースとギター以外ピアノなどに若干の強弱はあるが、タイミングとダイナミクスはすべてジャストで録音されているようだ。普段グルーブの再現に命をかけている人間にとってこの手の耳コピ再現は実に苦だったのであるw。

使用HW/SW:

iRig KEYSミニ鍵盤 (クリックで拡大)

HWに関してはiMac/マイク/インターフェイスなど、すべて6年前のいきものがかりちゃんの時と同じ。鍵盤にはここ数年気に入っている IK Multimedia iRig KEYS の3オクターブミニ鍵盤をすべての楽器の演奏・録音に使った。SWには去年 Kontakt からのクロスグレードで安価に手に入れた Native InstrumentsKomplete Ultimate を今回初めて導入。去年ゆえ最新版ではなくバージョン10だ。KompleteのVI以外に毎度の MOTU MachFive3IK Multimedia Modo Bassも鳴らしている。今回も生楽器は一切ナシ。DAWはこれもちょっと古い MOTU Digital Performer バージョン8だ。

オケ:

Battery 4 (クリックで拡大)DAWのMultimode Filter (クリックで拡大)Modo Bass (クリックで拡大)The Giant (クリックで拡大)
打楽器類 = NI Battery 4 & MOTU MachFive3 Percussiv
TR-808系のドラムにはNIのBatteryを初めて使ってみた。ボタンがずらりと並ぶドラムマシン風のUIで、膨大な数のサンプルから好みのものを配置して鳴らす。ラウンドロビンなどの細かい機能もなさげで、エレクトリック系音楽用にデザインされている感じ。アホでもすぐ使えそうな印象だ(w)。MachFive/Percussivのベルツリー/タンバリン以外、ハンドドラム含むすべての打楽器をBatteryで鳴らしている。マルチ出力を設定し各サンプルをDAWの別AUXに流して、それぞれに必要なエフェクト処理を行った。イントロのケツやサビ前に鳴る16分のちゃかちゃか音があるが、こいつがなかなかのくせ者。Battery画像で選択されているClap Wikinger 7という手拍子音サンプルからスタートしBattery内でボリューム・ピッチエンベロープを作り、DAWのオートメーションで隣画像Multimode FilterのFQ/レゾナンスを動かしたものをステレオディレイで左右に振っている。2番Aメロ (Cメロ?) で一瞬鳴るスクラッチ音は似たような音が見つからんかったのでBatteryのVinyl HipHop 1というサンプル音を2つ使い、互いにピッチとスピードをずらして一つはリバースで鳴らしている。サビで左に現れるタンバリンはぼんやり鳴っているせいでマスタリング直前まで聞き落していた。そのまま追加して鳴らしてみたところアコギとぶつかったので、原曲は10kHzあたりから上をカットしたのであろう。同じようなカットをした。ハンドドラムは原曲を注意深く聴くと左右にパンがぐるぐる回っている。かなり分かりづらいがオートメーションでこれも一応再現している。ドラム類に限らず、すべての楽器録音は打ち込みではなく手弾きで行った。その後クオンタイズをかけてジャストにしている。上記トップのMIDI画像、Kick Event Listのばらばらベロシティが手弾きの名残だw。
ベース = IK Multimedia Modo Bass
おそらく今一番アツいベース音源であろう。いつものMachFive付属 JBass とは違い、これはサンプリング音を再生しないフィジカル・モデリングの音源。とにかく軽い。JBassと同じくスライドやハンマリングオン・オフなどもキースイッチで切り替えができる。12種類の実機ベースをモデリングしてあるのだが、J-Popらしく画像のJapan Bassという Ibanez Soundgear を元にしたパッチを使った。エフェクタとアンプもModo Bass内蔵のものを使用し、DAW側ではEQ後にコンプとリバーブだけ微妙にかけている。
ピアノ = NI The Giant
ピアノ音源はいろいろ持っているのだが、ポップス系でイケそうなやつということでこれにたどり着いた。スクリーンショット画像ではふざけて見えるが、こいつは実在する史上最強のアップライトピアノ、Klavis-Piano 370i だ。高さ3メートル重さ20トンの巨大アップライトピアノで、階段を上って2階に置かれた椅子に座って演奏する。その音色をサンプリングしたのがこのNI The Giantだ。ポップス系用に低音ブーストやそれっぽいコンプも付いていて、割と原曲にマッチするような音色を作ることができたと思う。すべてを手弾き後、涙を流しながらクオンタイズをかけたりと (w) ジャストなタイミングになるように編集している。
その他鍵盤系 = NI Retro Machines MK2 & MOTU MachFive3
シンセストリングスはRetro MachinesのAlbedo Morphのアタックとフィルターを変更したもの。他のキラキラ系鍵盤音はMachFive3の MachFive Biosphere ライブラリから複数パッチを編集・組み合わせて音色を作っている。イントロ後半とサビで上の方で鳴っているGMでいうところのBrightness系と16分の駆け上がりを同じ音色でやると決めたせいで、この音を作るのにどえらい時間がかかってしまった。最終的にMagic Vibes/Bell Celeste_MK/String Orchestral_MKを組み合わせてMid EQを持ち上げ後String Orchestral_MKのサステインを伸ばし、さらにMIDI図でわかるようにGlocken/Celestaパート (Bell Toybox_MK/Xmas Experiment/Celestaのミックス) の音をうっすらと混ぜている。カコカコカンと左→右で鳴るトイピアノ系 (Cluster Grand_CFA) は当初ステレオディレイで左→右をやっていたが、リバーブ通すとボケるので結局オートメーションでパンをその都度左→右に振ることにした。シンセChoir系はMachFiveのMajestic Voice。
アコースティックギター = Pettinhouse AcousticGuitar
いつも鬼門のギター。パッチはうちでは定番のKontakt用Pettinhouse AcousticGuitar (バージョン1) を今回も使っての耳コピ録音だ。原曲では他の楽器に埋もれ聴き取れない部分が多く、今回も実に難儀な耳コピであった。ベースと同じく生演奏風の録音ゆえノリ重視での鍵盤演奏・録音後、アコギ特有のツッコミリズムを編集で調整している。このバージョンにはハンマリングオン・オフのキースイッチがないので、昔ながらのベロシティ調整と重ね音符でそれっぽくした。フレットノイズをひとつひとつ貼り付けることもあるのだが、今回はAcousticGuitarがランダムで出してくるノイズが割と自然だったのでそのまま使っている。

歌:

Kcoさんボーカル用プラグ員衆 (クリックで拡大)miyagi録音スタジオ (クリックで拡大)
K'coさんリードボーカル
テスト録音のものを除き、K'coさんにはゴマキちゃんリードボーカルの24bit WAVを4テイク作ってもらった。何度も歌い直して作り上げたテイクだということで、4番目のテイクを修正をほとんど施さず使っている。本人のご希望でブレスノイズを全て手作業で10〜14dBほどカットはしているが。サビのダウンビートからはメリハリをつけるため別テイクをうっすら重ねてダブルトラックにした。エフェクトは画像内のDe-Esser/EQ/Vari Comp/EQ/VC 160と並べた後、サビ/サビ以外で深さの違うショートディレイ2種類を切り替えている。ちなみにNI Komplete付属の Vari CompManley Stereo Variable MuVC 160dbx 160 の名機HWコンプを忠実に再現したものだ。
miyagiリードボーカル
ストッキングでこしらえたやつ は破棄し、今は画像のちゃんとしたポップフィルターを使っている。また、音響処理をしている部屋ではないので CAD VocalShield VS1 という天然リバーブ防止用シールドも最近設置した。ゴマキちゃんボーカルに比べKGの分はキーも低くかなりシンプル。本番は3テイク録音し、一番まともなやつをチョイスした。いや、一番キッチンの冷蔵庫のノイズが低いものを選んだw。使ったプラグ員はK’coさんのと同じ。
合の手ボーカル
女声コーラス複数とKGのものそれぞれ2テイクずつを左右に振り、CPUの負担も減らす意味でDe-Esser/EQ/Dynamics (コンプ) のみをプラグ員している。サビでの女声の一番低い分はK’coさんには低すぎるということでmiyagiが歌った。

ミキシング + マスタリング:

全部入りきれてないトラック一覧 (クリックで拡大)

まとめ用のbusを加えると全部で90近いトラック数になった。ミックス時にはリバーブとコーラスに加え、今回はNIの Supercharger GT をボーカルの歪み効果用にグローバルbusに追加している。リードボーカルをまとめているbusにはさらにNI VC 76 (UAD 1176 コンプ)/EQ/NI RC 24 (Lexicon 224 リバーブ)/VC160をそれぞれ薄く挿入した。RC 24は地獄耳でないと違いがわからんかもだが、リバーブの深さをサビで数%上げている。また、各パートの音量などコンプやEQなどでカバーできなかった箇所はオートメーションで結構細い調整を行っている。いつもオーディオとVIのトラックを同時再生してミックスダウンするのだが、NIの重いプラグ員を使いすぎたようでVIがグダグダ。オケをまずステレオにミックスダウンし、それをボーカルトラックとミックスして最終ステレオミックスをこしらえた。

マスタリングには別プロジェクトにこの最終ステレオミックスを読み込み、以下のプラグ員を順に導入。

  • NI Supercharger GT
  • MOTU De-Esser
  • MOTU De-Esser
  • NI Vari Comp

マスタリング系のプラグ員は持っていないので、DAW付属のものとNIのコンプ・歪み系のみ。今回も自力でのマスタリングだ。Spatial MaximizerはMid-Side (M/S) をキレイに整えてくれるので必須。コンプはそれぞれ1〜2dB程度のGRで少しずつ音圧を上げ、最後はベタなLimiterで-0.5dBの天井まで上げている。もう少し音圧を上げてもいいかと思ったが、RMS値が原曲とマッチしたのでストップした。De-Esser x2はボーカルのサ行がこの時点でかなり強調されてしまったので、違う周波数用に2つ挿入している。いつものことなのだが、完成前にマスタリング環境から離れて自家用車内のステレオの鳴り方やiPhoneの内蔵スピーカからベースが聞こえるかといった調整を数日にわたり複数回チェック。また、老化現象が進んだ最近は高音が必要以上に大音量になっている恐れがあるので、仕事場の22歳のおねえさんにハイエンドが耳障りでないかのチェックもやってもらっている。そして完成。マスタリング後の24bit WAVは LAME のエンコーダで256kのMP3に変換し、K’coさんにmusictrackへアップしてもらった。

以下はYouTube内のDAW動画付き音源。そしてそのカラオケバージョン。

以上、アンタも暇人w。



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7/29/2004 より
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